活動を休止しているPL学園（大阪）硬式野球部のOB総会が11日、大阪市内で行われ、復部へ向けて前進した。OB会長の桑田真澄氏（51）は昨年、学校の設立母体のPL教団と複数回話し合ったとした上で、「教団からはっきりと『復部を考えています』と言っていただいた。非常にうれしかった」と明かした。甲子園春夏合わせて7度優勝、史上3位の96勝を挙げた名門は、部員間暴力など不祥事が続き、16年夏の大阪大会を最後に活動休止。17年3月に府高野連を脱退した。

教団側は「桑田さんは学園への愛情があふれている。野球部が復部すればすばらしいこと」とコメントしたが、現実的な道のりは険しい。教団は信者が減少し、現生徒数も約150人とみられる。敷地内に球場は残るものの室内練習場や寮は取り壊されている。何より度重なる暴力事件で休部に追い込まれた野球部を復活させるには、再発防止の体制づくりも必要となる。

桑田氏は「早さを競っているわけではないので、しっかりと体制が整ってから復部するのが、非常に大事」と長期戦を覚悟している。再開時に監督のオファーが来たらという質問には「OBはみんな監督をやってみたいと思っていると思いますよ。そういう夢はあります」と笑った。【石橋隆雄】

▼PL学園元監督の中村順司氏　今年はマスターズ甲子園で結果を出したことも教団側には好意的に受け入れられたという話でした。今でもたくさんの指導者が部から出ている。そういう部をぜひ復活させてもらいたい。

▼OBの元ヤクルト宮本慎也氏　伝統を残すと言っても1回途切れている。新しくできるのであれば、そこに携わる人たちが新しいものを作っていけばいい。ユニホームを着ることで伝わることがあると思う。あのユニホームに全てが詰まっていると思う。新しいものを作っていってほしい。

▼OBの元中日立浪和義氏　うれしい。休部で最初は非常にさみしかったが、ここ数年はしょうがないのかなと半分あきらめたような感じだった。実際なかなか野球部が復活することも難しいでしょうが桑田さんに協力できるようにしたい。