尚志(福島)硬式野球部新監督に、プロ野球広島などでプレーした松井隆昌氏(53)が4月1日付で就任することが発表され、1日に郡山市内のグラウンドで選手たちと初対面した。高校生の指導は初めての同氏は「簡単に引き受けられるわけではなく迷ったが、新たな挑戦ができることは幸せなこと。責任を感じている」。投手とキャッチボールを行う捕手に安全面も考慮してマスクをかぶる助言をするなど交流も図った。

10年間、現役でプレー。その後はロッテでブルペン捕手を17年間務めた。16年、BC福島で1年間コーチ。17年からは元広島紀藤真琴氏(54、現水戸啓明監督)の誘いを受け、野球塾で小中学生を指導してきた。昨年9月、監督就任の打診を受けたが「今、指導している子どもたちも裏切れなかった」と年間カリキュラムが終了する3月末までは現職を務める。塾のない週末は尚志にも顔を出す予定だ。

1軍、2軍、ベテラン、若手問わず、良き相談役でもあった同氏。「成功も失敗も見てきた経験を、高校生にも伝えてきたい。甲子園という目標はあるが、1日、2日で強くはならない。1日、1球を大切に、キャッチボールから意識を持って練習していきたい」と所信表明した。

佐藤圭悟主将(2年)は「穏やかで笑顔がすてきな方。内外野の連係や状況判断などを聞いてみたい」と期待を寄せる。現在は部員12人、マネジャー2人と少数のため「考えて行動する」ことをテーマに掲げている。昨秋は、県中支部で敗退も「春は東北大会出場を目指し、その勢いを夏につなげたい」。同県は聖光学院が夏13連覇中。21世紀枠で今春センバツ出場の磐城など宿敵も数多い。全国4強を誇る強豪のサッカー部にも負けていられない。【鎌田直秀】

◆松井隆昌(まつい・たかまさ)1966年(昭41)8月20日生まれ、福岡・飯塚市出身。九州産から八幡大(現九州国際大)、88年ドラフト外で福岡ダイエー(現ソフトバンク)入団。広島、中日、ロッテでプレー。98年、台湾・統一で現役引退。NPB通算69試合出場、3本塁打。99年からロッテでブルペン捕手。16年BC福島コーチ。17年から「紀藤塾」で指導。右投げ右打ち。