加藤学園高野球部は15日、出場予定だった今月の選抜高校野球中止決定後、初の練習を行った。中止の一報を受けた11日以来、4日ぶり。選手たちは、笑顔を見せながら約6時間、汗を流した。

主力の大村善将(よしまさ)内野手(2年)は「やっぱり野球は楽しい。下を向いていても仕方がないので、野球ができることに感謝して、切り替えていきたい」と話した。

エース肥沼竣投手(2年)は「(中止を)まだ完全には受け入れられてはいないけど、また今日からやらなきゃいけない。無理をしてでも、切り替えていかないと」と強調。ブルペンで53球を投げ込んだ。この日の投球内容に不満を抱きながらも、「夏まで残り4カ月。必死にやっていく」と力を込めた。

今月卒業した3年生への感謝の気持ちから、センバツへ懸ける思いは誰よりも強かった。大会がなくなり、大きく落胆。それでも、チームの大黒柱の責任感から自身を奮い立たせた。「夏は誰がエースになるか分からない。負けないように、泥くさくやる」。試合に飢えている様子も示し「早く公式戦をしたい。そこでしか味わえない空気に触れたい」と、気持ちを高めていた。【河合萌彦】

○…勝又友則主将(2年)は、各方面から出ている「センバツ出場予定校への救済措置」を求める声に対して、「甲子園でプレーしたい思いはあるが、同情からそうしてもらうとしたらちょっと…」と表情を曇らせた。自力での甲子園出場に向けて「自分たちは、この夏に懸けている」と意気込んだ。「最上級生がチームをつくる。後輩たちに良いものを残せるようにやっていきたい」と続けた。