沼津高(静岡)野球部の八長(はっちょう)広志コーチ(46)が飛龍高野球部の副部長に就任することが、20日までに分かった。来月1日付で同校職員に転任。同じ沼津市内のライバルへ移るが「外の世界で、指導者として成長したかった」と話した。悲願の甲子園初出場を目指す県東部の強豪に、心強い援軍が加わった。

沼津高3年時に夏の甲子園出場。4番主将として、母校を夏では初の聖地へ導いた。大学卒業後はJR東日本に入社。30歳まで現役を続けた。アマチュアで結果を残してきたが、心残りがあった。現役時代からの夢は、高校野球の指導者になることだった。

周囲の猛反対を押し切り、40歳で同社を退社。2015年(平27)冬から母校を指導していた。御殿場西高を率いて甲子園に出場した飛龍高・鈴木久監督は「野球の技術だけでなく、これまでの経験を生かして子どもたちの人間教育もお願いしたい」と歓迎した。

寮の監督官も務める予定の八長氏は「鈴木監督からノウハウを学びたい。甲子園は強いチームが行けるわけじゃない。選手たちが、野球の神様に振り向いてもらうお手伝いができれば」と意気込んだ。「指導者でも甲子園」の目標をかなえるつもりだ。【古地真隆】

◆八長広志(はっちょう・ひろし)1973年(昭48)7月10日、沼津市生まれ。原小1年から原少年野球団(現原ブルーキッズ)で野球を始める。原中-沼津高-駒大-JR東日本。大学時代は全国優勝3度。3年秋には一塁手でリーグベストナイン。2001年3月の社会人野球東京大会では最高殊勲選手賞に輝き、初優勝に貢献した。