全国の球児を元気づけたい- 沖縄県内野球部の監督有志が20日、夏の甲子園の大会歌「栄冠は君に輝く」をワンフレーズずつ歌いつなぐ「ああ栄冠は君に輝く~Okinawa version~」を動画投稿サイトYouTubeで配信した。

トップバッターは発起人の興南・我喜屋優監督。「全国の高校球児に沖縄からエールを送ります。想いは1つ。夢をもって! 逆境を乗り越えよう!」とメッセージを送り、貴重な歌声を披露。

美里工、糸満、宜野湾、中部商、沖縄尚学の監督、部長が続いた。

それは17日夜、我喜屋監督からの1本の電話から始まった。「甲子園で『栄冠は君に輝く』を聞くと、あぁ甲子園に来たなって感じがする。朝ドラの『エール』を見て、ちょっと思い出してさ。みんなで歌おうじゃないか」。15日の「甲子園中止か」の一部報道を受け、20日、どんな結果になろうとも、選手たちが前を向いて頑張れるように、と立ちあがった。

我喜屋監督の命を受けたのは、美里工・神谷嘉宗監督。すぐに教え子でミュージシャンのミヤギマモル氏に音源を依頼。沖縄らしく三線を入れた音源をわずか1日で作成。時間がないため、今回は6チームの監督、部長、スタッフの歌声を集め20日夜の配信にこぎつけた。

突貫作業も、ひとつも手を抜くことはない。プロデューサーとなった神谷監督は「もっと元気を出して歌って」「腕を振って歌って」と、監督たちにダメ出しも。選手たちを元気づけるために一生懸命に歌う姿が、画面から伝わる。

我喜屋監督は「甲子園が中止になって、選手たちはかわいそうかもしれない。でも、悲劇のヒーローにはなっちゃいけない。夢は甲子園だけではないから。人生はもっと向こうにある。逆境や敗戦から学ぶことはたくさんあるはずだから」と、選手たちを笑顔で後押し。指導者の熱い思いが詰まった1曲になった。

動画の最後には、全員で「目指せ、心の甲子園」と声を合わせる。我喜屋監督は「今年は甲子園には行けないけど、心だけは行けるでしょう」と力を込める。今、栄冠は甲子園を目指した球児、全員に輝いている。

「ああ栄冠は君に輝く~Okinawa version~」(https://youtu.be/ZhOHXQ9J5hU)