日刊スポーツの記者が、懐かしい球児たちの今と昔に迫る不定期連載「あの球児は今」。今回は、平安(現龍谷大平安=京都)の左腕エースとして97年春夏連続で甲子園に出場し、春4強、夏準優勝の川口知哉さん(40)。同年ドラフト1位でオリックスに入団。未勝利のまま04年に現役引退しましたが、10年から女子プロ野球に関わり、現在は京都フローラの監督3年目です。

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夏の甲子園のお立ち台での「次の目標ですか? 完全試合ですね」で一躍注目され、オリックス入団発表後に「1年目の初登板は日本シリーズがいい。それも高橋(由伸)さんを打ち取るためだけに」と言って仰木監督を驚かせた。

ビッグマウスのわけは? 川口さんは「それをやるために練習してきました。自信はありました」と振り返る。龍谷大平安の原田英彦監督(60)も「あんなに練習する子は見たことがない」と当時の努力を認める。40歳になった今は午前に練習、午後は取引先へ集客の営業に向かう。努力を惜しまない性格は変わらない。現在、リーグ連覇中。「女子プロ野球の指導者の後任も作っていきたいですね」。言葉だけで終われない。