8月の「甲子園高校野球交流試合」に出場する加藤学園(静岡)に、期待の新入生が入った。昨年、15歳以下(U15)日本代表(侍ジャパン)に県内から唯一選ばれた石井羚(れい)投手(1年)が、今月から全体練習に参加している。本格的な高校生活を始めたばかりで、まだ環境に慣れない様子。それでも、エース肥沼竣投手ら3年生の練習する姿を見て「練習に取り組む姿勢や意識の高さがすごい。試合に勝つことへの執念にも驚きました」と話した。

昨年8月、U15日本代表としてアジア選手権に出場。オープニングラウンドの香港戦で3回から登板し、1イニングで打者3人から2三振を奪い、勝利投手になった。「ストライクゾーンが狭かったり、国によって野球のスタイルが違った。貴重な経験を今後に生かしたい」と力を込めた。

中3時に加藤学園の練習を見学し、「米山(学)監督が1人1人に丁寧に指導していて、魅力を感じた」と進学理由を説明。同監督から「マウンド上で出す雰囲気に、良いものがある」と評価されている。「球速(最速120キロ)はありませんが、制球には自信がある。先輩たちから多くのことを学んで、目標の甲子園出場に向けて頑張りたい」。有望左腕は目を輝かせた。【河合萌彦】

◆石井羚(いしい・れい)2004年(平16)9月16日、伊豆市生まれ。6歳から修善寺モクレンズで野球を始めた。修善寺中では、同校軟式野球部とKボールの伊豆少年野球団に所属。昨年、U15侍ジャパンに選出され、アジア選手権に出場した。左投げ左打ち。178センチ、65キロ。血液型B。家族は両親と兄。