不来方は3-1で平館を振り切り、18年夏の県3回戦以来9戦ぶり、現チーム初の公式戦白星を挙げた。

初回裏、2番・内野手の羽沢琢人主将(3年)が先制ホームを踏み、2安打1打点とチームをけん引。エース左腕・阿部颯太(2年)も計10安打を許しながらも要所を締め、1失点完投で勝利に貢献した。

ツキも味方に最後まで流れを手放さなかった。選手17人中、3年生3人の若いチーム。初回、死球出塁の羽田主将が流れを呼び込んだ。相手投手の2連続暴投で三塁まで進み、1死二、三塁から4番・波岡優杜内野手の内野ゴロの間に先制ホームを踏んだ。3回裏は2点目に結びつく犠打。5回には適時右前打も放った羽沢主将は「ボールに負けずに逆方向を意識して、イメージ通りに打てました」と「6秒スイング」の成果を口にした。

今春、菊地康弘監督(54)が就任。コロナ渦で練習時間が限られる中、個々がそれぞれの場面を想像しながら6秒ごとに1分間10本、10分間に100本の素振り練習を週2、3回ペースで行ってきた。先頭打者の塚本璃空内野手(2年)も2安打2得点と活躍。就任後初の公式戦を白星で飾った菊地監督は「泥臭く先の塁を狙えた。守備も粘り強くしのいでくれた」と選手を称賛した。

1失点完投の阿部は「カーブを見せ球にして真っすぐで押せた。ヒットは打たれたけれどホームに返さないようにできた。次も勝っていきたい」と連投を誓った。【佐々木雄高】