静岡商の高田琢登投手(3年)が、ライバル校を相手に実力を見せつけた。5日、静岡市の草薙球場で行われた静岡高戦に先発し、7回1安打無失点の好投。視察に訪れたプロ11球団のスカウトをうならせた。

静高の4番関宮楓馬捕手(3年)が1-2の8回表1死満塁で、左中間へ走者一掃の逆転二塁打を放ち、7-6の逆転勝ちに貢献した。

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高田は、この日の投球を満足げに振り返った。「スライダーの制球が良く、カーブでカウントを整えることができた。静高を1安打に抑えられて良かった」。5回には、相手の1番神谷侑征内野手(3年)から、昨冬から練習してきたスプリットで空振り三振を奪った。「速くて曲がる球種が必要だった。投球の幅が広がった」と胸を張った。

だが、4回には右前打と2四球で2死満塁のピンチを招いた。最後の打者を遊ゴロに打ち取り、難を逃れた。「投げ急いで、下半身を使えていなかった。今日の投球内容は70点」と、自らに厳しかった。

試合前には、静高ナインの体格の良さを目にして「びびってました」。しかし、父親の高田晋松監督(50)から「この試合を、夏の大会の決勝戦だと思って臨もう」とハッパをかけられて奮起。最速145キロの直球主体の投球で、相手を圧倒した。「楽しく投げられた」と笑顔を見せた。

チームは敗れたが、自身は手応えをつかんだ。「県大会でも今日のような投球をしたい」。まだ暑さに慣れていないため、「(初戦までの)残り2週間でしっかりと対策をしたい」と引き締めた。独自大会は18日の2回戦から参加。高校最後の舞台へ向け、プロ注目左腕がラストスパートをかける。【河合萌彦】