茨城県高校野球の古豪、竜ケ崎一と水戸商の練習試合が実現した。

お互いに粘りが身上のチームらしく接戦に。5-4、水戸商リードで迎えた9回裏。竜ケ崎一は無死満塁から萩原康成外野手(3年)の適時右前打で5-5の同点に追いつくと、1死満塁から海老原蓮外野手(3年)の中堅へのサヨナラ犠飛で接戦に終止符を打った。

3回途中から登板し、6回2/3を投げ無安打1失点に抑え好投したエースの海老原幹汰投手(3年)は「今日は縦のスライダーを中心に組み立てて、うまく打たせてとることができた」と胸を張った。

これまで、夏の甲子園9回出場の竜ケ崎一と、10回出場の水戸商。県立の雄として、茨城県の高校野球をリードしてきた。いつもなら、夏の県大会前のこの時期は他県の学校と練習試合を行ってきたが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県をまたいでの練習試合を自粛。急きょ、実現した。竜ケ崎一の津脇義明監督は「水戸商さんとは古豪の双璧。いつも公式戦では対戦しているが、練習試合をしたという記憶がないほどです」と笑顔を見せた。

県立で頂点を目指す。お互い、同じ志を掲げ戦ってきた。津脇監督は「野球のスタイルも似ていて、いつも接戦になる。だからこそ、学ぶこともたくさんあるし、いろいろな経験をさせてもらえた」と振り返った。試合中「どこまで食らいつけるかが勝負だ」と選手たちを鼓舞し続けた。新型コロナウイルスの影響で実戦経験が少ない選手たちにとっては貴重な経験。「食らいついていければ最後にこういうドラマが待っている可能性が高くなる、ということをちょっと思い出してくれたかな」と手応えをつかんだ。

11日からは「2020年夏季茨城県高校野球大会」が始まる。大会直前を、古豪対決で締めくくった両チーム。今夏、再戦なるか。勝負の行方に注目したい。