春夏8度の甲子園出場を誇る一関学院が千厩を9-2で下し、10年ぶりの夏の県優勝に向け8回コールド発進した。佐藤颯弥主将(3年)が“決勝3ラン”を含む4安打4打点の活躍で、勝利に導いた。

6-2で迎えた8回裏1死一、三塁の場面で、相手投手の内角スライダーを捉えた。打球は大きな放物線を描き、左翼ポールを直撃する「サヨナラ弾」となり、「外角を意識していたんですけど、体がうまく反応してくれました」。初回は左前打でチャンスメークし、先制のホームを踏んだ。3、4回はともに流し打ちで右に運び、安打を量産した。それでも「最近の調子は悪かった。今までやってきたことを信じて、打席に立ちました」と、不安は一掃したようだ。

3年生29人が「特別な夏」に臨んでいる。今大会は3年生を中心に起用し、1試合ごとにベンチ入りメンバーも変更する。高橋滋監督(47)は「3年生全員が、3年間やってきたことを証明してほしい。優勝して終わりたいです」と意気込んだ。【佐藤究】