宮城の独自大会が開幕し、仙台市民球場の開幕試合で泉松陵が7-2で多賀城を下し、10年連続の夏初戦突破を決めた。前日10日に18歳の誕生日を迎えた4番黒崎大斗外野手(3年)が1回表の先制適時打を含む4打席連続安打、3打点と大活躍し、自らのバットで1日遅れのバースデー白星を挙げた。

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泉松陵の頼れる4番が打って走って生還し、ベンチ前で“エア”ハイタッチを連発した。1回、先頭の橘雄大捕手(3年)が中越え三塁打。黒崎は2死三塁から左中間に先制二塁打を放った。18歳の初公式戦で、初打席初安打初打点。波に乗った3回の2打席目は中越え三塁打、さらに暴投の間に激走して3点目のホームを踏んだ。5回も2打席連続の中越え三塁打から後続の適時打で生還。6回2死二、三塁の打席では、左前2点適時打で締めくくった。1試合4安打は公式戦自己最多。残り本塁打でサイクル安打にも王手をかけたが、5打席目は回ってこなかった。

主砲の活躍に、小原仁史監督(57)も「打ち出の小づち状態。何があったのか分からないがよく打ってくれた」と大黒天ならぬ黒崎の打撃を評価した。黒崎は「18歳も、サイクルも特に意識しなかった」とクールに振り返った。昨秋パワーとスタミナ不足を痛感。今春はコロナ禍で5月下旬まで約2カ月間休校になる中、自宅で毎日90本の素振りとティー打撃を続けた。朝夕の走り込みで体力も増し、下半身も安定。自信を深めたことで、「初球から自分のバッティングをする」と積極性にもつながった。

投げては下手投げエース池田悠人(3年)が4回を4安打2失点。4回に連打で失点したが、3回まで完全投球で主導権のリズムをつくった。打撃で援護した黒崎は「今日の結果は今日まで。次も同じように打てるようにして、長い夏にしたい」と高校生活の集大成にする。【佐々木雄高】