函館工が江差・上ノ国・函館稜北を10-0の5回コールドで下し、南大会出場に王手をかけた。

2番田沢琉希也左翼手(3年)が内野安打2本を含む3安打3打点、1盗塁と50メートル6秒2の俊足を生かし、かき回した。「こういう状況で試合ができたことに感謝。まずは1つ勝てて良かった」と振り返った。

コロナ自粛期間、山本裕也監督(40)は「自主練習よりも、家の手伝いなどを優先するように」と、身の回りのことへの意識付けを徹底させた。田沢は「部屋の片付け、掃除をしっかりするようになった」と生活面から整えなおすことで、練習への集中力も増し、初戦突破への一助となった。

昨秋の全道大会は、札幌日大との初戦で散発4安打無得点。0-4で完敗した。「打てなかったので、冬場にしっかり後ろでためをつくる取り組みを続けてきた。南大会に出て、その成果を試したい」と前を向いた。

▽函館稜北・嘉堂秀也主将(3年)(江差・上ノ国・函館稜北と連合で出場し、3回2死二塁で中前打)「一瞬で終わってしまった。9回までやりたかった。何とか南大会にいって、ケガした村上と一緒に野球をしたかった。申し訳ない」

▽函館稜北・沢田篤生監督(24)(江差・上ノ国・函館稜北の指揮)「OBからも激励のメッセージをたくさんもらっていたのに…。こんな悔しい試合は初めて。流れを止められなかった。でも、最後まであきらめない稜北の野球はできたのかと」