福島西の本田直也投手(3年)が保原に連打を許さず、散発7安打2失点、146球の熱投で大黒柱の重責を果たした。昨夏は3回戦で王者・聖光学院に6回コールド負け。本田も0-4と善戦していた5回2死満塁で捕邪飛に倒れた。「1年間、その悔しさを糧にやってきた」と成長を披露した。

井田友貴監督(44)は「ストイックで素直で真面目。背中で引っ張ってくれる」と絶賛するリーダー。コンビを組む井田貴大捕手(2年)も「理想の先輩です」と尊敬する。昨年12月、井田監督がかつて務めた学法福島のラグビー部と合同練習を行った。以来週2回3時間、ラグビー式の筋力トレーニングを続けてきた。コロナ禍で全体練習ができない間、本田は20秒のインターバルで行う腕立て10回を80セット、計800回をこなした。166センチ、70キロと小柄だが、鋼のような肉体を作り上げることで、仲間を引っ張った。

エースで4番主将の責任を背負いすぎ、もがいた時期もあったが、周囲の成長を呼んだことで重圧が軽減され、実力を発揮できるようになった。ミスターストイックは、勝利にも満足しない。「いらない四球とかあったので課題を修正したい」と愚直に、次戦に目を向けた。【野上伸悟】

▽保原・今村瑠希也投手(3年=エースで4番)「最後の大会ということで序盤は緊張して制球が悪かったが、仲間が守ってくれたので。途中から自分の投球ができた」