花巻東は清川大雅主将(3年)の守備力で黒沢尻工を封じ、4強入りを決めた。

二塁手として、4回には痛烈ライナーを好捕し、一塁走者も刺して重殺。5回1死二塁では中堅に抜ければ同点の場面で、二塁ベースより遊撃に近い位置の打球を捕球し、一塁でアウト。「練習でやってきた形が出来た」。昨秋の東北大会2回戦では仙台城南(宮城)に自身の失策から延長で2-3と逆転負けを喫しただけに「冬はゴロ捕球の基本からやってきたので守備には自信がついた」と胸を張った。

6回からは2番手登板。この日最速143キロの直球と変化球で3回1/3を無失点と、相手に傾きかけた流れを断った。8回に決勝の右前適時打を放った水谷公省外野手(3年)と一緒にヒーローインタビューを受けた主将は「終盤の団結力、結束力が出た試合。昨秋は1点差で負けた試合があったので、1点差で勝てたことは成長の証し」。精神面でもチームを引っ張る。

23日の準決勝は、昨秋の県決勝で3-4と敗れた盛岡大付との再戦だ。「闘志むき出しにやりたい」。僅差で負けた悔しさは、最後の夏に完全燃焼で晴らす。【鎌田直秀】