高校サッカーの名門・清水東が、野球でも存在感を発揮した。1回戦で来月の甲子園交流試合に出場する加藤学園を下し、勢いに乗る飛龍を9-4で退けた。夏連覇を狙う静岡は、知徳に6-1で快勝。最終回、1番神谷侑征内野手(3年)の決勝打から打線がつながった。8強入りを懸けた4回戦8試合は、24日に県内4球場で行われる。

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伝統校・清水東の野球部も負けていない。東部地区の強豪私立を退け、2005年(平17)以来となる3回戦突破。2-2の6回表1死満塁、4番の望月涼雅捕手(2年)が外角の変化球に食らい付いた。体勢を崩されながらも右前へ落とし、決勝適時打を放った。「直球と変化球のどちらにも対応できるよう、逆方向を意識した。欲をかかずに対応できました」と胸を張った。この回は打者一巡の猛攻。8安打で7得点を奪って試合を決めた。

同校のサッカー部は全国に名の知れた名門。全国総体で4度、全国選手権は1度の優勝を誇り、元日本代表DF内田篤人(32=鹿島)ら数多くのプロ選手を輩出している。野球部も春夏通算4度の甲子園出場経験があり、互いに切磋琢磨(せっさたくま)している。3安打を放った望月は「『自立』を目標に取り組んできた。日頃の練習メニューや、試合中のサインも自分たちで決めています」と話す。考える野球で相手を攻略した。

24日の4回戦は昨夏準優勝の駿河総合と対する。強豪との連戦になるが、望月は「ベスト4が目標。守りからリズムをつくって攻撃につなげたいです」と力を込めた。【古地真隆】

◆県立清水東高校 1924年(大13)開校の庵原中が前身。学制改革で48年に清水一高、49年に清水東高と改称。普通科に加え、68年に県内初の理数科を設置。サッカー部は58年富山国体で初の全国制覇。全国高校選手権では82年度優勝、準優勝3回。最近では2017年6月の県高校総体で準優勝。野球部は1923年創部。夏の甲子園は57年から2年連続、春のセンバツは58年と77年に出場。所在地は静岡市清水区秋吉町。鈴木照彦校長。

▽飛龍・木村一矢主将(3年) (決勝点を奪われた)6回にベースカバーが遅れて、先頭打者に出塁を許し、集中力が切れてしまった。ミスをきっかけに、相手に畳み掛けられてしまった。