仙台が11-2で昨秋東北大会4強の第3シード仙台城南を撃破し、2年連続のベスト16進出を決めた。連投のエース左腕・鎌田健太郎(3年)が8回2/3を6安打2失点に抑え、6番打者としても先制打を含む2安打1打点3得点。投打の活躍で勝利をもたらした。

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98年夏の甲子園出場の伝統を受け継ぐ仙台が、シード校を圧倒した。最後まで攻撃の手を緩めず、13安打で6投手を打ち込んだ。起爆剤は主将とエースの2人。2回表、先頭の5番大久保壮隆(そうた)主将(3年)が右前打で出塁。続く鎌田の左中間適時二塁打で先制ホームを踏んだ。勢いづいた打線は打者一巡11人で大量5点を先取。9回も鎌田の右翼線二塁打を足がかりに打者9人で4点を追加し、試合を決めた。鎌田は2、5回に制球を乱し各1失点も「チームメートが点を取ってくれたのでメンタル的に楽でした。1つずつアウトを取るつもりで最少失点に抑えられた」と振り返った。

昨夏は背番号10で準々決勝の仙台育英戦に先発。敗れはしたが、甲子園8強の強力打線を6安打3失点に抑え、自信を深めた。投球リズムの安定を課題に掲げており、昨秋からエース番号を背負い、帽子のひさし裏には「平常心」と書き込んだ。昨秋は県大会初戦で仙台一に1点差負けの悔しさを味わった。石垣光郎監督(57)には「心の軸も、体の軸もぶらさないように」と助言されている。

鎌田は完投勝利目前の9回表2死、石垣監督の伝令に快諾。公式戦初登板の同級生右腕・遠藤亮汰(3年)に笑顔で白球を託して一塁守備に退いた。1人だけで野球はできない-。「気持ちをぶらさないで、チームみんなで勝っていきたい」とエースの努めに徹する。【佐々木雄高】