仙台育英は7-1で仙台一を下し、夏4連覇に王手をかけた。

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仙台育英が11安打に機動力を多彩に絡めて、仙台一の56年ぶり決勝進出を阻んだ。1点を先制した1回裏、昨秋までのベンチ外からセンバツの背番号4を勝ち取った鈴木誠達内野手(3年)が右越え適時二塁打で加点。3回にはエンドランのサインに、相手投手の悪球を懸命にバットに当てて中前安打。「今日は3回もエンドランのサインが出た。塁に出てかき回したり、走者を進塁させたり、『出塁型』と言われている自分の役割を果たせた。初回は自分が打って決めようと思っちゃいました」。爽やかな笑顔で照れ笑いを浮かべた。

積極的な走塁は相手のミスも生んだ。先制点も1死満塁から投ゴロの石川汰一内野手(3年)が全力疾走で一塁を駆け抜け、併殺を免れた。5盗塁に加え、二塁から三塁へのタッチアップも2度。8回には長打力も兼ね備える宮本拓実外野手(3年)がスクイズを決めるなど、隙のない野球を貫き通した。

今大会は3年生40人(学生コーチ、マネジャー各1人含む)で戦うことを決めている。先発登板した右腕・阿部恋(3年)が3回2安打2奪三振無失点。3回裏には須藤希津功内野手(3年)が代打で登場し、フルスイング。6回からは右腕・杉山歩海(3年)が2回1安打4奪三振無失点。大会を通じて全員が出場を果たした。鈴木は「全員が大会の緊張感を味わえたことは決勝にもつながると思う。3年生全員に、やってきたことをやりきる思いがあります」。“4連覇”達成で東北大会(8月9日開幕、宮城・石巻市民球場)出場権も獲得し、甲子園交流試合(8月15日、対倉敷商)まで、培ってきたすべてを披露し続ける。【鎌田直秀】