夏季宮城県高校野球大会は1日、楽天生命パーク宮城で決勝が行われる。22年ぶり2度目の優勝に挑む仙台は7月31日、仙台市青葉区の同校グラウンドで約2時間、汗を流した。初戦から6連投になるエース左腕・鎌田健太郎(3年)は軽めのキャッチボールで最終調整。「私学を倒したくて入学した」と意気込んだ。一方、V4に挑む仙台育英は多賀城市の同校グラウンドで左腕対策を行った。4番入江大樹内野手(3年)が「仮想鎌田」として打撃投手を務めた最速149キロ左腕・笹倉世凪(2年)から左中間フェンス直撃の三塁打。本塁打を放った昨夏対戦時の再現で東北大会切符を導く。

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今大会初アーチは楽天生命パークで放つ。仙台育英の主砲入江が、好投手攻略に自信の表情。昨夏の甲子園でも躍動した笹倉から第1打席でスライダーを右前打。第2打席では直球を左中間フェンス直撃の三塁打。「今大会はナイスバッティングが出来ていない。最初は変化球に対応出来たし、最後は一発で甘い球を捉えられた。長打も期待されているが、ホームランだけでなく走者をしっかりかえしたい」。チーム2位の打率5割ながら4打点に納得してないが、勝利を導く責任感は強まるばかりだ。

昨夏対戦では仙台・鎌田から先制ソロを放っている。「ストレートの速度や精度が良くなっているし、変化量も違う。去年とは違う投手と思ったほうが良い」。練習前にはチーム全体で映像を見て分析。室内練習場でも左投手の球を打って目を慣らし「自分の成長した姿を見せられれば東北大会につながると思う」と準備万端だ。

同じく昨年からの主力でチーム最高打率5割8分8厘の2番宮本拓実外野手(3年)も先制パンチを狙う。「変化球の割合が多いと感じています。自分は中に入ってくる変化球が得意なので狙っていきます。1球で仕留めたい」と力強い。

エース左腕・向坂優太郎(3年)の先発が予想され、スタメン6人が左打者の可能性が高い。今大会中には昨秋の関東王者・高崎健康福祉大高崎(群馬)と練習試合を行い、ドラフト候補左腕・下慎之介(3年)から大量点を奪うなど左への苦手意識はない。現行の甲子園49代表制になった78年以降、決勝では東北以外には負けなしの伝統も継続させる。【鎌田直秀】