急性骨髄性白血病から復帰した仁川学院の槙原葵人(あおと)内野手(2年)が「4番・遊撃」でフル出場し最初で最後の“3年生9人全員で出場”の夢をかなえた。

「コールド負けはしましたが、やりきったって感じです。白血病になり、夏は無理だと思ったが、試合ができて幸せだった。3年生のみんなにはありがとうと言いたい」と試合後は、すがすがしい表情だった。

昨年9月9日に急性骨髄性白血病になり、2月19日まで入院し闘病生活が続いた。授業日数が足らなかったため、今年も2年生だが、プレーできるのは3年生と同じ今大会が最後となる。

12月には40度の熱が5日間続くなど一番きつかったが、同じ年の選手たちが見舞いに来てくれた。同じ兵庫の報徳学園の選手たち、同校OBの広島・小園海斗内野手(20)、仁川学院の辻元伸一監督(45)のつながりでオリックス吉田正尚外野手(27)からも激励のビデオメッセージが届いた。「吉田さんからは『あせらず治療して夏の大会に出られるように頑張れ』と言っていただきました」と感謝した。

「野球があったから、病気を乗り越えられた。今日、この舞台に立っていることが奇跡だと思う」。今後は試合に出ることはないが、同校で野球を続け、大学でも野球を続けるという。【石橋隆雄】