関根学園が柏崎に8-5で逆転勝ちした。3-4の7回1死二、三塁で3番の滝沢夏央遊撃手(2年)が左翼線への逆転の2点二塁打。3回戦の新潟産大付戦(9○8)でも延長11回タイブレーク、逆転の2点サヨナラ打を放った2年生が再びヒーローになった。

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20年夏の“クラッチヒッター”が関根学園から躍り出た。3番の滝沢だ。3-4で迎えた1死二、三塁。左打席で逆らわずに外角直球をはじき返して左翼線への逆転2点二塁打を放った。昨秋準優勝の新潟産大付と対戦した3回戦でもタイブレークの延長11回に右中間へサヨナラ2点適時打を放った勝負強い2年生の2試合連続の逆転打。「自分はただ(走者を)かえすだけだった」。願ってもない場面で打席が回り、結果を残した。

もっとも安川攻塁(よしたか)監督(28)は素っ気なかった。「打ちました? 3番、4番打者はまったく打ってないイメージ」。0-0の3回1死満塁で滝沢はスクイズバントに失敗(投ゴロ)している。併殺は免れたが三塁走者・瀬戸景大投手(3年)が本塁でアウトになっていた。しかしミスを引きずらないところが元気者の下級生の「特権」。「チャンスはまた巡ってくると集中は切らさなかった」と言った。

関根学園は独自大会となった今夏、3年生だけでメンバーを組む予定だった。しかし登録締め切り間際に方針転換。20人の中に1、2年生が11人加わる陣容で、この日のスタメンには2人入った。「3年生も、監督も自分たちの力を借りたいと言ってくれた。出場した時は3年生の分まで活躍しなければ、ならない」と滝沢は心に決めている。

3回戦に続く、勝利を決める快打。ただ、この試合では5打数1安打と振るわなかっただけに満足はしていない。「1本しか打っていない。準々決勝もチャンスはくる。そのための準備をしておきたい」。滝沢は3試合連続で打の主役になる決意だった。【涌井幹雄】