浜松開誠館の長屋竣大(しゅんた)投手(3年)が、投打で初の夏4強へ導いた。

投げては5回1/3を3安打無失点と、144キロを記録した直球と変化球のコンビネーションで島田商打線を翻弄(ほんろう)。5回から両足がけいれんしそうになりながらも、先発の役割を果たした。「イニングの途中で交代して迷惑をかけたけど、納得できる内容だった」。最後はベンチから勝利を見届けた。

フル回転だった。4回表2死一、二塁から直球を捉え、左翼フェンス直撃の先制適時二塁打。6回にも5点差とする適時二塁打を放つなど、3安打2打点をマークした。「前日の練習でも調子が良かったし、(先制の二塁打は)配球を読んで打てた」。本職を生かして快音を響かせた。

1年秋に内野から転向。中学時代まで「投手不足の時に2試合投げたぐらい」だった右腕は、最速146キロを誇るエースに成長した。今大会も、23回1/3を投げて無失点を継続。元プロ野球選手の佐野心監督(53)から「冬を越えて素晴らしい投手になった。言うことはない」と、全幅の信頼を置かれている。

県の頂点まで残り2勝。「自分の役目は『0』に抑えること。あと2勝して優勝したい」。頼もしい言葉を並べた。【前田和哉】