阿武野の大辻民基(たみき)監督(43)が「復帰戦」で白星を飾った。24日の初戦となった2回戦の大阪市立戦(9-4)は、自宅待機だった。

同校の教員が新型コロナウイルスに感染したため、濃厚接触者として部長とともに15日から25日まで自宅待機を命じられていた。PCR検査では陰性だった。大辻監督は「こいつらと試合ができた喜びがありました。監督がいなくて勝って、いたら負けたでは」とホッとした表情だった。4番の主将・富田航平内野手(3年)は6回無死一塁から決勝打となる中堅への先制二塁打を放ち、「今日は(大辻監督が)締めてくれた」と感謝した。

初戦の指揮は第3顧問で通常は大阪府高野連の理事をしている渡辺剛士教諭(36)だった。同校OBで急きょ巡ってきた初めての監督だった。サインを慌てて覚えたが、サインミスが出るなどバタバタだった。渡辺教諭は「なんで走っているのかと聞くと、僕がエンドランのサインのところを知らずに触れていたからだと」と笑った。大辻監督にはスタンドから学校関係者がLINE(ライン)を通じて1球速報を送っていた。

4回戦は4日で、昨夏覇者の履正社との対戦が決まった。富田主将は「力の差はあるが、雰囲気よく相手に圧倒されず自分たちの野球をやりたい」と話し、大辻監督も「楽しみ」と話した。【石橋隆雄】