県太田のエース伊集院祐希投手(3年)は好投したが、3回に右足首に受けた死球の影響で、1失点ながら6回で降板した。直後の7回にチームは5点を失い逆転負け。伊集院は「悔しいです。回を重ねるたびに死球の痛みが強くなって制球が悪くなってしまった。でも自分としては、やり切った」と涙を浮かべた。

ついに勝ち取ったエースナンバーだった。秋は11番。監督、チームメートからの信頼を勝ち取った。背番号1を背負うと知った瞬間は「素直にうれしかったです」と振り返る。

小学生時代は投手だったが、小学6年で肘を痛め、中学では投手から離れていた。ひじの痛みも癒えた高校からは「1番好きなポジション」である投手に再度挑戦すると決めた。

最後は仲間を信頼してマウンドを譲った。結果は伴わなかったが、この経験を次につなげる。「大学でも野球をやりたい。このチームでは一丸となって戦うことの楽しさを学んだ。その気持ちを忘れずにしたい」。涙の敗戦も将来の糧にする。【小早川宗一郎】