<高校野球東東京大会:大森学園6-5二松学舎大付>◇4日◇準々決勝◇大田スタジアム

大森学園が身長2メートル右腕の二松学舎大付・秋広優人投手(3年)を攻略し4強入り。絶好調のリードオフマン、豊田征也外野手(3年)の言葉が導いた。

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初回先頭で打席に立った瞬間、豊田は「大きいな」と思った。秋広の初球、真っすぐに右飛を打ち上げた。「大きいのは分かってましたが、大きい投手に顔を上げてしまうとフライが増える。みんなに『あごを引いて、低く打球を打とう』と伝えました」。自身の反省からベンチに戻ってすぐに伝えた助言が、身長2メートル右腕攻略の糸口となった。

3回の第2打席は1死一塁で左中間へ先制二塁打を放った。ライナーだった。後も続き、4連打でこの回2得点。1本だけポテンヒットがあったが、他は強いゴロやライナー。みんなグッとあごを引き、放った。4回途中3得点で秋広をKO。終盤に1点差まで追い上げられたが、序盤の攻撃がものを言った。

豊田は計3安打。前日3日の国学院戦でのサイクル安打に続く活躍だ。好調の要因を問われ「1、2回戦は打てず、気持ちが落ちてました。周りが打ってくれて、自分も打たなきゃと。みんなのおかげです」と笑った。今大会で勇退する和泉隆監督(53)の方針で、3時間ない練習の2時間ほどを打撃にあてる。豊田は「監督さんと1日でも長く野球をやりたい」と力強く言った。好調の要因は、ここにもある。【古川真弥】