光南が矢田部巧投手（3年）、国井飛河（ひゅうが）投手（3年）の1安打完封リレーで須賀川に7－0で快勝した。選手権13連覇中の聖光学院は、6回コールド11－1で福島成蹊を下し、決勝進出を決めた。両校の決勝での対決は10、16年以来3度目となり、いずれも聖光学院が勝利している。決勝は7日11時から同会場（無観客）で行われる。

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打倒聖光の舞台は整った。光南のドクターゼロ国井が、圧巻の投球で須賀川打線を退けた。5回1安打と好投した先発矢田部からバトンを受けると、4回をノーヒット。170センチの左腕は、初戦でプロ注目左腕、辻垣高良投手（3年）擁する第1シード学法福島戦に、3安打完封で投げ勝つと、3回戦からはロングリリーフにまわった。今大会は、24回5安打30三振無失点の快投。8回無安打を継続し、決勝に臨む。

昨夏の悔しさが、進化の原動力となっている。2年生エースとして臨み、準決勝の聖光学院に先発も0－5で完敗。直球とカーブしか持ち球がなく、狙い球を絞られた。敗戦後からスライダーとチェンジアップの習得に取り組んできた。走り込みやフィジカルトレーニングにも打ち込み、球速も最速125キロから134キロにアップ。9回裏2死、最後の打者も「まっすぐで押したいと思っていた」と力のある直球で三振に仕留めてみせた。対決が決まった聖光学院・斎藤監督も「去年に比べてはるかによくなっている」と警戒心を強めていた。

3回戦から矢田部ー国井の必勝リレーで勝ち上がってきた。渋谷武史監督（42）は「コロナで練習がなかなかできなかった中、無理をさせられない部分もあった。継投の方が全力でいける」と話す。国井は「巧（矢田部）が完璧に投げてくれたので、自分も乗れた」と感謝した。

3年生たちは16年夏の決勝で、王者聖光学院に1点差で惜敗した姿に憧れた。当時テレビ観戦した国井も「聖光を倒して優勝したい」と入学。矢田部も「1歩も引かず向かっていく姿勢がすごかった。僕たちもその気持ちでいきたい」と先輩たちの思いも背負い戦う。「4年前も聖光は終盤に強かった。自分も最後まで気を抜かず、気持ちを切らさず投げたい」と国井は、3年間の思いをぶつけ頂点を狙う。【野上伸悟】。