準決勝で智弁学園を破った奈良大付は、天理へのリベンジを逃した。

昨秋に行われた近畿大会準々決勝の再戦で、前回は0-14と完敗。2点を追う9回2死一、三塁で三ゴロに倒れ、最後の打者となった4番の山本陸捕手(3年)は「これで試合が終わるとは考えていませんでした。思い切り振って、つなごうと思っていました」と悔しげに振り返った。

1回に幸先よく先制も、その裏に逆転を許した。だが2-5の6回には4安打で2点を奪った。接戦に持ち込むと、8回には1死満塁の好機も作った。だが8、9回のチャンスを得点につなげられなかった。

0-14。秋に見せつけられた天理との差は、今夏は2点になった。山本は「『1つのミスがビッグイニングになる』と秋に分かりました。この夏は『1つ1つのアウトを積み重ねていこう』と(田中)監督から言われてきました。チーム全体としては、やりきれたと思います」。1歩1歩進んでいく大切さを、後輩たちに引き継いだ。【松本航】