夏の甲子園と地方大会中止による福島県独自大会の決勝が今日7日、ヨーク開成山スタジアム(午前11時開始、無観客)で開催される。14年ぶり2度目の頂点に挑む光南は6日、白河市の天狗山球場で約2時間の前日調整。夏13連覇中の聖光学院も桑折町の同校グラウンドで練習を行った。両校の決勝対決は16年以来3度目。勝者は9日開幕の東北大会(宮城・石巻市民球場)出場権を獲得する。

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光南は攻守の要となる「3番捕手」佐藤寿樹(3年)が、聖光学院撃破の中心を担う。今大会24回30奪三振無失点のエース左腕・国井飛河(ひゅうが、3年)とは2年時から主力バッテリーを形成。昨夏の準決勝では聖光相手に5回5失点。絶対王者の強さを身をもって感じることが出来たことは、今では大きなプラス。「聖光というチームを知れたことは財産。今年も点を取られても、すぐに取り返すような強いイメージはある。でも、失礼かもしれないが、圧倒的なものは感じていない。そう思えているのは自分たちの成長」。名前負けして力を出し切れずに敗れた屈辱を繰り返さない自信は得ている。

19回3失点の右腕・矢田部巧(3年)と国井の2人の好投を導いてきた。「2人がいなかったら決勝まで来られてはいない。信頼して投げてくれている。自分は楽しく投げさせることをテーマにしています」。特に国井に関しては「いつも仲間と笑顔でいることが結果を出す秘訣(ひけつ)」と性格も熟知。昨年までは味方の失策などで表情が変わることもあったが、今は皆無。「お前が打たれても文句言わないよ」が魔法の言葉となり、100%の力を引き出している。

守備練習の最終プレー後に恒例としてきた「優勝の歓喜」を、この日も実行。マウンド付近で人さし指を突き上げて士気を高めた。「決勝に照準を合わせてきた。県大会としては最後の練習。良いイメージで聖光戦に向かえます」。打撃練習とランニングだけでノースロー調整の国井も「疲れはまったくない。甲子園はなくなったけれど、福島のチャンピオンになりたい気持ちに変わりない」。夏は対聖光6戦全敗だが、歴史を塗り替える。【鎌田直秀】