全国高校野球選手権の代替となる各都道府県の独自大会が6日、全国各地で行われ、和歌山では智弁和歌山が初芝橋本を10-1で下し、4年連続25回目の頂点。今秋ドラフト候補の小林樹斗投手(3年)が自己最速の152キロで試合を締めた。

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一時は失明が危ぶまれた綾原創太内野手(3年)が5回、3ランを放った。昨秋の近畿大会で打球が右目付近を直撃し、眼窩(がんか)底骨折。顔5カ所を骨折し、手術を経て12月から練習に戻った。「打球が速く感じてすごく怖かった」と得意の守備にも影響。緩いゴロ捕りから始め、基礎から感覚を取り戻した。視力は1・5まで回復したが、瞳孔にけがの影響が残り、日光がまぶしく日中はサングラスを手放せない。今使っている物はチームメートからの贈り物。「本当にうれしくて、大事にしようと心がけてます」とこの日も守備、打席で身につけた。

中押し3ランに守備は無失策。攻守で貢献し「本当に奇跡的に失明せずにこうやって野球が出来ることになった。目を理由に野球の結果が出ないのはダサいなとずっと思っていて。その分練習をして自信をつけました」と最後の夏を駆け抜けた。