桐生第一が熱戦を制し、12年ぶりに群馬の頂点に立った。

伏兵が躍動した。まずは2回1死二、三塁、7番の星野綜汰捕手(3年)が左翼手の頭を越える先制の2点適時二塁打を放った。1点リードで迎えた6回1死満塁では、6番に起用された川端琉真外野手(3年)が追い込まれてから6球のファウル。驚異的な粘りを見せた。最後は三振に終わったものの、高崎健康福祉大高崎のエース下慎之介投手(3年)に球数を投げさせた。その直後、2死満塁で星野が初球のスライダーを完璧に捉え、グランドスラム。一振りで試合を決めた。

161センチ74キロの小さな体からチームの全6打点をたたき出した星野は「つなぐ意識で打った。自分でもびっくりした。最高です」と、自身公式戦初本塁打に喜びを爆発させた。

残るは甲子園での交流試合1試合を残すのみ。星野は「この仲間とできるのもあと1試合。甲子園でも勝てるように、もう1回準備をしていきたい」と意気込んだ。【小早川宗一郎】