北北海道大会は10日、準決勝2試合が行われた。クラークは武修館を10-0の6回コールドで下した。旭川龍谷が旭川実を11-2の7回コールドで下し、92年夏の北大会以来の道大会決勝進出。決勝は11日、旭川スタルヒンで行われる。

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帰ってきた男がエンジン全開だ。クラーク5番佐藤が初回の先制打を含む4安打4打点と大当たり。武修館を下し決勝進出の立役者となった2年生は「先輩に教えてもらい一緒に練習してきたことで、日に日に(調子が)上がってきた」と胸を張った。

北見緑陵との準々決勝は3安打2打点に加え、4回から2番手でマウンドに上がり2回0封。投打で期待されるが、この日は打順を1つ上げバットで見せた。初回2死一、二塁。真ん中低めのチェンジアップを捉えた。右中間を破る先制二塁打に「気持ちが楽になった」。3、4回は4戦連続本塁打の3番金原が四球を選び、4番小林がつないで迎えた打席。2度とも佐藤が右前に運び「先輩方がうまく回してくれた。ベンチに帰ったら『ナイスバッティング』って声をかけられた」と喜んだ。

中学時代は親元を離れ、仙台育英系列で軟式の強豪・秀光中(宮城)に野球留学した。3年夏には全国中学軟式大会準優勝も経験。ただ腰の痛みもあり、その大会後に生まれ育った札幌に帰ってきた。高校は「雰囲気が良くて、楽しく野球ができる」とクラークに進み、地元で甲子園を目指す道を選んだ。

15人の3年生がいる中で、地区から全試合出場を続ける。コロナ禍で甲子園がなくなっても黙々と練習を続ける3年生を見てきた。スタンド観戦で「何もできずに悔しかった」という昨夏の北大会決勝から1年。佐藤は「3年生は最後の大会。花を持たせてあげたい」。頂点を目指す思いは一緒だ。【浅水友輝】

▽クラーク・佐々木啓司監督(64=昨夏まで2年連続北大会決勝、今大会も決勝進出)「バッティングが良いですね。全体に。努力の成果が出ている」