ついに甲子園の舞台に立つ。加藤学園は12日、2020年甲子園高校野球交流試合・鹿児島城西戦に臨む。最速140キロ超の投手2枚看板を擁する相手に、主軸の杉山尊内野手(3年)と大村善将内野手(3年)が対する。両者は、先月の県独自大会で快音を響かせられず、1回戦敗退。味わった悔しさを聖地で晴らす。チームは11日、大阪入り。大一番に備えて練習した。

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加藤学園の主軸2人が、好調を維持して甲子園へ向かう。杉山は、大会前最後の練習試合・常葉大橘戦で2番に入り、5打数3安打。「(県独自大会以降)打撃の感覚が戻ってきた。もう少し、正確性を上げたい」。一方の大村は3番に座り、4打数3安打2打点。「自分も感覚が戻って、追い込まれても粘れるようになった」と自信を見せた。

今夏の県大会では優勝候補に挙げられながら、飛龍との1回戦で逆転負け。両者とも無安打に終わった。「みんなが個人の結果を求めすぎて、チーム打撃ができなかった。淡泊な攻撃でチャンスを生かせなかった」と大村。大会後はチーム全体でミーティングを行い、武器である「全員野球」の徹底を再認識した。

聖地で顔を合わせる鹿児島城西に対しては、主戦2投手の攻略が鍵になる。相手の映像を見た大村は「直球は高めに伸びて、スライダーもキレが良かった。いかに打ち損じを減らせるかだと思う」と警戒した。一方の杉山は、研究よりも自身の調整に注力。「試合をする場所や相手が変わっても、これまでやってきたことをしようという思いです」と、気を引き締めた。

今年3月のセンバツ中止から5カ月。全国に“カトガク野球”を見せる時がやってきた。

杉山 やっと甲子園で試合ができる。いろんな方々への感謝をプレーで表したい。

大村 自分たちらしい野球をして、悔いのない試合にしたい。

1試合限りの夢舞台。2人の活躍が、チームに勢いを与える。【河合萌彦】

◆杉山尊(すぎやま・たける)2002年(平14)11月18日、三島市生まれ。三島東スピリッツ、三島リトルシニアを経て、加藤学園高では1年秋からメンバー入り。昨秋の公式戦では、主軸として12試合出場、打率3割9分5厘の成績を残した。右投げ左打ち。177センチ、75キロ。血液型O。家族は両親と姉。

◆大村善将(おおむら・よしまさ)2002年(平14)6月23日、清水市(現静岡市清水区)生まれ。富士リトル、沼津シニアを経て、加藤学園高では1年夏からメンバー入り。同秋からレギュラーに定着。昨秋の公式戦では、4本塁打を放った。右投げ右打ち。172センチ、72キロ。血液型O。家族は両親、兄、姉、祖母。