近江の田中航大投手(3年)が1失点も5安打5奪三振で完投。滋賀県3連覇に貢献した。

3点リードの2回、相手ベンチの声援にのまれ、動きが固くなり失点。だが、3回から無失点投球。最後の打者も得意の外角直球で仕留めた。「皇子山球場で優勝の瞬間にマウンドに立つというのが、小さい頃からの夢だったので最高の瞬間でした」と振り返った。

2回までの投球を見た多賀章仁監督(60)からは「ラスト1イニング(で交代)」とゲキを飛ばされたことを明かし「『最後まで投げさせてください』と言いました。この大会の初戦から最後の勝利の瞬間は(後輩の投手らで)投げてなくて。交代して終わるのはいやだ。優勝の瞬間は絶対に僕が投げ切りたいと思っていた」と奮起し、最高の結果につなげた。

今秋のドラフト候補で主将の土田龍空(りゅうく)内野手(3年)はこの日4打席3打数無安打。今大会では木製バットで臨んだが「ミートも全然できていない。この悔しさを今後の練習に生かしたい」と語った。視察した巨人渡辺スカウトは「守備は安定している。肩も強いしコントロールもいい。あとはどこまで打てるか」と話した。

多賀監督は「土田は今日は本当に悔しい思いをしていると思うが、これからの野球人生の中で、この大会はすごく大きな糧になった大会だと思う」と今後の活躍に期待した。【南谷竜則】