日本航空石川のダブルエース、嘉手苅(かてかる)浩太投手(3年)と田中颯希(さつき)投手(3年)が聖地で敗れた。

3-3の5回2死一、三塁で、嘉手苅が投じた球がキャッチャーミットから大きくそれ、暴投で勝ち越しを許した。6回から登板した田中は4回を1失点4奪三振と好投。だが、打線が3回以降無得点に終わり、逆転できなかった。嘉手苅は「150キロを投げようとして力が入ってしまった。ずっと(直球を)張られていて、捉えられてしまった」と語った。

2人は石川の独自大会決勝の星稜戦で、継投で優勝を果たした。高校1年生のとき、嘉手苅は主力。田中は最速130キロで2軍相当だった。だが、徐々に力をつけ、2年の秋には143キロを計測。チーム練習の自粛期間では走り込み、145キロまで到達した。中村隆監督(36)は「田中は嘉手苅に負けたくないという思いで成長した。嘉手苅も田中の成長で負けたくない気持ちが出て、お互いが競争していた」と刺激し合う好敵手だった。

191センチと恵まれた体格の嘉手苅はプロ志望届を提出する意向。「張られても打たれないように、これからは精度を上げていきたい。憧れの選手は(エンゼルスの)大谷選手です」と次のステップでの活躍を誓った。進学する田中は「大学を経て嘉手苅を追い越せるようにしたい」と気持ちを込めた。

これからは別々の道を行く。だが、ライバル関係はこれからも続く。【南谷竜則】