関根学園が延長10回、7-6で長岡工にサヨナラ勝ちした。6-6の10回裏2死一、二塁から2番染川剛生右翼手(2年)が左前に適時打を放って勝負を決めた。

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ポーカーフェースの染川が、一塁を回ったところで表情を緩めた。二塁走者の牧野水樹投手(2年)が生還したのを確認。劇的瞬間を見届けても、派手なリアクションはなかった。「でも内心はうれしかったです」。本塁上で待つ仲間たちの輪に入ると自然と勝利の実感が湧いてきた。

「自分で決める」と言い聞かせて入った打席、内角高めの直球を左前に運んだ。その前の球を打ち損じ邪飛に。相手が落球し命拾いした。直後に味方ベンチから「力を抜け」と声が飛んだ。「あれで切り替えられた」。ナインに後押しされての1本だった。

「おとなしい子。力はあるが、なかなか気持ちが表に出ない」。安川巧塁(よしたか)監督(28)は言う。もっとも、田原輝也主将(2年)が「あいつが1人で努力しているのをみんな知っている」と言うように、頑張りは誰もが認める。兵庫出身で園田東中では少年硬式野球の伊丹シニアに所属。高校進学後は「スタメンを取るには打力が必要」と、自主トレで毎日100スイングしてきた。日々の積み重ねが公式戦初出場での殊勲の一打に表れた。

安川監督は「(引退した)3年生の残したものを受け継いでいる」とナインをたたえた。今夏、関根学園はベスト8。3回戦で新潟産大付に延長11回タイブレークでサヨナラ勝ちするなど、粘り強く戦った。「絶対にあきらめない。3年生の頑張りを学んだ」。粘り強さを伝統にするのが秋の使命。「目標は優勝」。染川は力強く言った。【斎藤慎一郎】