来春センバツの重要参考資料となる秋季高校野球東北大会決勝(午前10時開始)が20日、宮城・石巻市民球場で行われる。

創部初の甲子園出場を狙う柴田(宮城3位)は19日、柴田町の同校グラウンドで練習。今大会4戦で481球を投げ、大会規定で残り19球しかマウンドに立てないエース右腕・谷木亮太(2年)の分まで、岩崎翔真(2年)、日下裕翔(1年)、南條康佑(2年)の控え投手トリオが、総力リレーで戦い抜くことを誓った。連覇に挑む仙台育英(宮城1位)も多賀城市内で調整。決勝の同県対決は5年ぶり、宮城県勢の頂上決戦は20年ぶりとなる。

   ◇   ◇   ◇

柴田の救世主は誰だ! 3投手が交代でゲーム形式のノックでマウンドに上がった。すでにセンバツ出場は有力だが、宮城県大会準決勝で6回コールドの2-12で敗れた相手に、リベンジも期す。谷木の起用法に、平塚誠監督(48)は「ここぞという時に投げてもらうことを考えています。何とか他の投手で踏ん張って、最後に谷木が登場するのが最高の形なんですが…。打者陣には10点取ってくれと言いました」。経験の少ない3投手を総動員だ。

東日本国際大昌平(福島1位)との準々決勝で1/3回5失点の右腕・岩崎は「膝元を狙う球が甘くならないようにしたい」。カブス・ダルビッシュの動画を参考に習得したカットボールを低めに集める。左腕・日下はチェンジアップなど多彩な変化球が武器。「三振は取れないので守備にも助けてもらって1個ずつアウトを取りたい」と丁寧な投球を心掛ける。同監督の「育英戦で投げられるのはいるか?」の言葉に名乗りを上げたのが、控え捕手の南條だ。「ここまで来られたのは谷木のおかげ。今度は自分がテンポ良く投げて流れを作りたい」。中学までの経験はあるが、高校初登板男も闘志を燃やす。

1週間500球の球数制限による非常事態継投で、宮城の公立校としては1966年(昭41)仙台商以来54年ぶりの頂点に挑む。【鎌田直秀】

▽柴田・谷木(1週間で500球の投球制限まであと19球) みんなに頑張ってもらって、いつでも投げられるように自分もしっかり準備したい。