日本高野連は11日、第93回選抜高校野球大会(来年3月19日開幕、甲子園)の21世紀枠の各地区候補9校を発表し、北信越から連合チームの富山北部・水橋(富山)が選ばれた。

 

他に、北海道は知内、東北は八戸西(青森)、関東は石橋(栃木)、東海は三島南(静岡)、近畿は東播磨(兵庫)、中国は矢上(島根)、四国は川之石(愛媛)、九州は具志川商(沖縄)が選ばれた。

 

出場3校は、一般選考の学校とともに来年1月29日の選考委員会で決まる。なお、明治神宮大会の中止により、同大会枠1校の取り扱いについては、同1月13日の運営委員会で審議、決定する。

 

9校の詳細は次の通り(成績は今秋)。

【北海道地区】

知内(しりうち、町立)道大会4強

攻守のバランスが良く、チーム力で勝ち上がった。準決勝では、優勝した北海に0-6で敗れたが、準々決勝は駒大苫小牧に3-2で競り勝った。

1952年(昭27)に北海道木古内高校知内分校として開校。53年、知内村立北海道知内高校として独立。81年、創部。93年、センバツ出場(初戦敗退)。主なOBに競輪の菊地圭尚。歌手の北島三郎は知内町出身。所在地は上磯郡知内町。

【東北地区】

八戸西(青森・県立)県大会準優勝→東北大会8強

188センチ右腕・福島蓮投手(2年)を擁し、県大会準優勝、東北大会8強。文武両道を掲げ、学業にも一生懸命取り組む姿勢が評価された。

1975年(昭50)に創立の県立進学校。普通科と01年に新設されたスポーツ科学科がある。春夏通じて甲子園出場なし。主なOBに元日本ハム中村渉投手、駒大エースの竹本祐瑛投手(4年)。所在地は八戸市。

【関東地区】

石橋(栃木・県立)県大会準優勝→関東大会初戦敗退

県大会準決勝で、19年夏の甲子園8強の作新学院を破り決勝進出。2位校として4年ぶり2度目の関東大会出場。サッカー部との共有グラウンドで、外野の守備やフリー打撃練習も困難。十分な照明もなく、限られた練習時間で機動力を磨き、学業と両立させながら関東大会出場につなげた。

1924年(大13)に石橋中として創立の県立進学校。クイズ研究会は全国高校クイズ選手権で優勝の実績。春夏通じて甲子園出場なし。所在地は下野市。

【北信越地区】

富山北部・水橋(富山・県立)県大会4強→北信越大会初戦敗退

県大会4強入りし、県内の連合チームとして初めて北信越大会に出場。初戦で優勝した敦賀気比に0-5で敗れた。秋の新チームから学校再編の影響で連合チームとして結成(富山北部15人、水橋2人)。

富山北部は1916年(大5)、創立。69年に春夏甲子園出場し夏に8強入り。水橋は83年に創設の進学校。新・富山北部は普通科、普通科・体育コース、くすり・バイオ科、情報デザイン科がある。所在地は富山市。

【東海地区】

三島南(静岡・県立)県大会4強

東部地区3位で県大会出場。準々決勝で優勝候補の静岡を破り、58年以来62年ぶりの4強進出。東海大会出場は逃したが、主戦・植松麟之介投手(1年)を中心に快進撃を見せた。「園児、小学生を対象に行う野球教室などの普及活動、それによる地域貢献」「ICT(情報通信技術)を活用した教育活動、それを利用した野球技術の向上」の2点も評価された。

1919年(大8)に三島町立三島商業学校として創立。49年から現校名。学年制ではなく、単位制を採用。県内で初めて演技実習室を導入し、舞台芸術を学べる科目を持つ。野球部は21年に創部され、今年で100年目。春夏通じて甲子園出場なし。所在地は三島市。

【近畿地区】

東播磨(兵庫・県立)県大会準優勝→近畿大会初戦敗退

県大会準優勝。近畿大会では初戦で4強入りした市和歌山に1-2で惜敗した。工夫を凝らした練習なども評価される。

1974年(昭49)に「地元の生徒は地元で育てよう」という地域社会の願いにより東播2市3町組合立東播磨高校として創立し、野球部も同年に創部。77年に県立となる。進学校で、放送部はNHK杯全国高校放送コンテストなどで活躍。甲子園は春夏通じて出場なし。主な卒業生にタレントのスパイシー八木、「SASUKEオールスターズ」の山田勝己は野球部OB。所在地は加古郡稲美町。

【中国地区】

矢上(やかみ=島根・県立)県大会4強→中国大会初戦敗退

県大会4強入りし中国大会出場。初戦で桜ケ丘(山口)に3-5で敗れた。元広島捕手の山本翔監督の下、19年秋は県大会優勝を果たしセンバツ一般枠の補欠校に。

1948年(昭23)、島根県矢上町立実業学校が移管され、島根県立矢上高校としてスタート。1学年普通科2クラス、産業技術科1クラスで、全校生徒246人の小規模校。春夏通じて甲子園出場なし。主なOBに元巨人の酒井順也投手。所在地は邑智(おおち)郡邑南(おおなん)町。

【四国地区】

川之石(愛媛・県立)県大会8強

県大会では強豪の宇和島東を破り8強入り。ボランティア活動なども評価される。

1914年(大3)に創立の私立実践農業学校が44年に愛媛県伊方農業学校と改称。48年に川之石高等女学校に合併され、49年に現校名として開校。春夏甲子園出場なし。OBに元巨人の大本則夫投手。所在地は八幡浜市。

【九州地区】

具志川商(沖縄・県立)県大会準優勝→九州大会8強

県大会は準決勝で興南に競り勝った。九州大会では初戦で東海大熊本星翔を破り8強入り。

1977年(昭52)、宜野座、石川、前原に設置されていた商業科を統合し、単独商業高校として設立。リゾート観光科、オフィスビジネス科、ビジネスマルチメディア科、情報システム科がある。春夏通じて甲子園出場なし。所在地はうるま市。