プロも注目した花巻東(岩手)の水谷公省外野手(3年)が11日、東京6大学の明大に合格した。「高いレベルの中でやってみたかった。注目度もあるし、どの投手でも150キロを超える。そこで活躍できれば、プロの世界に近づく」と名門で腕を磨き、4年後のドラフト指名を意気込んだ。

偉大な先輩が理想像だ。同校OBエンゼルス大谷翔平(26)を手本にする。水谷は「走攻守のそろった選手になりたい。全体的なレベルアップを目指す」。花巻東では三塁手と外野手を兼任。大学でも「二刀流」を貫いていく。「1年生からベンチ入りし、2年生からは主力選手。大学日本代表にも選出されたい。簡単ではないと思うので、努力を積み重ねていく」と言葉に力を込めた。

高校通算34本塁打を誇る強打者。打撃のルーツは父との二人三脚にあった。父は甲子園でも指揮を執った横浜隼人(神奈川)の水谷哲也監督(56)。自宅リビングでの特訓は日課だった。小、中学では父が投げるスポンジボールを木製バットで打ち続けた。高学年になるとプロ野球中継を見ながら父の配球論に耳を傾け、地元の横浜スタジアムで生観戦した。「自分は横浜ファンで父は阪神ファン。自然と横浜対阪神戦が多かった。野球の技術の基礎、基本は父から教わったもの」と感謝する。

「公省」の名前の由来は「甲(公)子園で優勝(省)」との願いを込められた。最後の夏はコロナ禍で無念の中止に終わったが、「高校で優勝は達成できなかったので、大学日本一を目指したい」。父からは「一日は一生の縮図なり」の言葉を授かった。「中途半端な気持ちじゃ活躍はできない。今を本気でやらないと」。全ては4年後。プロ野球選手になるため、研さんを積んでいく。【佐藤究】