仙台育英の「統柱」島貫丞外野手(2年)が、主将としてチームをまとめる。小、中学校でも主将を務めたリーダーシップで、部員62人の大所帯を“統率”する。「自分の課題と向き合いながら、チームのことも考えないといけないので、大変」と奮闘の日々。“柱合会議(ミーティング)”で選手同士、意見がぶつかり合うことも多いが、「みんなの言葉を肯定しながら、自分が正しい方向へと導く」と強いキャプテンシーはぶれない。

昨秋はチーム一丸で東北連覇を飾った。島貫主将は「控え選手に積極的に意見を求めた」。試合中の守備の連係プレー、リードの距離感など、スタンドから見える視点は、ベンチからは気付かないこともある。「(スタンドの選手が)細かい動きまで、しっかり見てくれていた。次の試合に生かせた」。背番号をつけていない選手も大きな戦力となり、試合を重ねるごとに修正していった。

選手の長短所をメモした「島貫ノート」が存在する。「自分は会話を大事にしている。選手に合った的確な言葉を分かりやすくするために、今年から書き込んでいる」。春夏通じて甲子園3度の準優勝を誇る名門のリーダーとして、責任感と自覚は人一倍だ。

「意識はしない」。センバツまで約1カ月に迫っても、どっしりと構える。「目標は日本一を取ること。自分たちの強みや学んできたこと、先輩たちが作った伝統をしっかり理解して、挑みたい」と気持ちを新たにした。昨春は出場を決めながらも、無念の中止に涙。先輩の思いも背負い、紫紺の大旗取りに挑む。【佐藤究】

◆島貫丞(しまぬき・じょう)2003年(平15)5月18日生まれ、福島市出身。5歳から野球を始め、中学時代は系列の秀光中教校(宮城)軟式野球部に所属し、中3時に全国中学総体で準優勝。仙台育英では2年秋からベンチ入り。172センチ、74キロ。左投げ左打ち。家族は両親と姉。好きな選手はイチロー。