高崎健康福祉大高崎(群馬)の背番号10、今仲泰一投手(3年)が甲子園デビューした。

2番手として登板し、4回1/3を被安打2、3奪三振の2四死球で無失点としたが、天理・達の前に完封負け。新チームになって初めて公式戦で黒星を喫し「今回、負けという悔しさを知れたので、夏は絶対1戦も負けないように、もっと厳しくやっていかないといけない」と話した。

2点目を許した直後の2回2死一、三塁のピンチでマウンドへ向かった。先発した野中駿哉投手(3年)から「ごめん」と声をかけられた。右ひじのケガで投げられなかった昨秋の関東大会でチームが優勝したのは、野中や高松将斗投手(3年)が頑張ってくれたから。「秋、投げてなくて頼りっぱなしだったので、恩返しじゃないけど、結果を出して何とかしたいと思いました」と一層、気合が入った。

天理の2番木下和輔外野手(3年)に、カウント1-2から142キロの直球を内角低めに決めて見逃し三振。追加点を許さなかった。

木下への4球は、すべて直球だった。投球練習で球を受けた綱川真之佑捕手(3年)が「今日は直球がいい」と判断。直球主体でピンチを切り抜けた。

初回から、ブルペンで準備を進めていた。「緊張感は一切なくて、ワクワクというか、楽しみな気持ちでずっと出番まで待っていた。いつ来ても、いい投球ができるように心掛けてました」と振り返った。

右ひじのケガを乗り越えて、経験した甲子園の舞台。結果も、悔しい思いも、夏につなげる。「ストライクを先行して取れたのは、いいこと。ストレートで押して、変化球でアウトを取るのが今回の課題だった。それはできていたので良かったけど、四球が目立った。夏に向けて改善したい」と気持ちを切り替えていた。