明豊が、春夏通算11度の優勝を誇る中京大中京との激闘を制し、初の決勝進出を果たした。ナインは歌手の南こうせつ作曲の校歌を歌い上げ、一塁側アルプスに向け、雄たけびを上げながら歓喜爆発で走った。

プロ注目選手や飛び抜けた強打者がいるわけでもない。だが、接戦をモノにし続け、1つずつ歩を進めてきた。この日は4回に一丸でつなぐ自慢の集中打が出た。3連打など打者一巡の猛攻で一挙5得点。投げては太田→京本とつなぐ必勝リレーに加え、4試合連続無失策の堅守でリードを守り切った。4試合のうち、3試合が1点差勝利。準々決勝の智弁学園(奈良)戦も2点差での白星。川崎絢平監督(39)は「生徒がよく成長したと感心して見ていた」と、試合ごとに躍動する選手に目尻を下げた。

先発で6回途中3失点だった左腕・太田は、打っても2安打1打点と活躍。兄の巨人太田龍から30日夜にLINE(ライン)で激励され「ありがとう。頑張ってくるよ」と発奮していた。2番手で登板したエース京本も奮闘し、歴史を塗り替える最後のアウトまでしのぎきった。

見据えるものがある。京本は「目指すは日本一。準優勝じゃ意味がない。優勝へ力を入れたい」。67年津久見以来となる県勢Vへ、あと1勝だ。【菊川光一】

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