左のエースは俺だ! 2年ぶりに春季宮城県大会が13日に開幕。今春センバツ8強の仙台育英は16日、泉松陵との初戦を迎える。188センチの大型左腕、千葉倖生投手(3年)、最速139キロ左腕、斉藤蓉投手(2年)が公式戦初登板を目指す。須江航監督(38)が掲げる「日本一熾烈(しれつ)な競争」の下、4月から“開幕”した部内リーグ戦。両投手がアピールするなど、左投手の台頭が目立った。

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最終学年で飛躍を期す。千葉は決意に満ちた表情で言い切った。「2年間してきたことを発揮したい。チームの日本一に貢献する」。188センチの長身からキレのある直球を投げ込む。3日に行われた部内戦では、7回から3番手で登板し、打者3人をきっちり抑えて、アピールに成功した。

今春センバツはスタンド応援で、太鼓役を務めた。「小学生の時にマーチングバンドに所属していたので、太鼓は得意だった」。チームは準々決勝で天理(奈良)に3-10で敗れた。「勝ち切れた試合だった。メンバーに入れなかった悔しさもあった。でも、メンバー入りするのが目標だけど、どの立場になってもチームの勝利に貢献する」と、ぶれることはない。

今冬はフォームを安定させることを意識した。3キロのダンベルを左手で持ち、右股関節に体重をかけるイメージをつくり、手投げ状態を改善。春先から昨秋に比べて、ストライク率は、30%も上がった。「秋は常にカウント3ボール、1ストライクだったけど、ストライク先行で投げられるようになった」と実感する。

2年生左腕・斉藤蓉は、同学年でセンバツメンバーの古川翼から刺激をもらう。斉藤蓉は「(古川は)上の存在なんですけど、目標にしながら、抜かしたいなと思っている」と闘志を燃やす。3日の部内戦では、2回1死満塁から登板し、上級生相手にも堂々の投球で無失点に抑えた。「内と外の出し入れができるようになって、真っすぐが強くなった」と一冬の成長を実感する。両左腕が堂々の公式戦デビューを飾る。【佐藤究】