札幌光星が、怒濤(どとう)のヒットパレードで、全道切符をつかみ取った。10日の北海道科学大戦が14安打15点、12日の札幌平岡戦は15安打15点、この日の代表決定戦は昨夏南北海道大会8強の立命館慶祥から18安打で16点を奪った。豪快な勝ちっぷりに合坂真吾監督(44)は「大会通し、やろうとしたことが徹底できた」と振り返った。

中でもエースの村山太一(3年)が3安打5打点、工藤健人中堅手(3年)が4安打4打点と打線をけん引。村山は地区2戦に出場し計6安打8打点、工藤は公式戦初出場した札幌平岡戦から2戦で9打数8安打9打点と快音が止まらなかった。村山は「しっかりと打点も取れて、5番としての役目を果たせた」。背番号17の工藤は「チャンスで打てて、自信がついてきた」と手応えを口にした。

昨秋は全道準々決勝で武修館にサヨナラ負け。9回表に4点加え10-6と突き放すも、その裏に追いつかれ延長戦で散った。マウンドにいた村山は「悔しかった。あの経験で、どんなに点差があっても僅差のつもりで臨むようになった」。意識改革に加え、合坂監督が「打てるチームをつくる」と掲げ、1月からは週1回程度だった打撃だけの練習日を2倍に増やし、昨年は参加しなかった投手陣も入り、チーム全体の打撃力向上を図ってきた。

工藤は「まだ長打が少ない。全道までに、もっと弾道を上げたい」。猛打に絶えず磨きをかけ、全道タイトルをたぐり寄せる。【永野高輔】