桐光学園が、両校合わせて25安打の打撃戦を制し、準々決勝進出を決めた。

5-5の同点で迎えた6回表、1死一塁で打席には先発の中嶋太一投手(3年)。左中間を破る2点適時二塁打で勝ち越しに成功すると、相手失策も絡んでさらに1点。その裏には2点を返され詰め寄られるも、7回表には、一挙5点をあげ突き放した。

エースとしてのふがいなさを打撃で返した。中嶋は1点先制され迎えた4回表にも、一時、勝ち越しとなる中越え満塁本塁打。3安打5打点の活躍を見せたが、試合後の中嶋に笑顔はなかった。「今日は投球がよくなかった。打たれて失点した。自分で返そうとしただけ。何とも言えないです」とうつむいた。5回1/3を投げ10安打7失点。フォームを崩し制球に苦しんだ。「抑えようとしてカウントを悪くした。とくに変化球が入らなくて、真っすぐを投げるしかなく、そこを狙われた」と反省しきりだった。

投球が悪ければ、打撃で返す。エースの意地がバットに乗り移った。打撃練習はほとんどしておらず、バットを握ったのも1週間ぶり。それでも持ち前のセンスでボールを運んだ。中嶋は「次は抑える。しっかり投げきりたいです」と次戦へ向け誓った。