秋春連続出場の藤枝明誠（県1位）は、享栄（愛知2位）に3－8で敗れた。2点を追う3回に2本塁打で逆転したが、5回から登板したエース左腕・小林輝（3年）が相手打線に打ち込まれ、再逆転された。

力の差を見せつけられた。藤枝明誠は、5回から送り出した小林が、9安打を浴び6失点。打線も4回以降、相手投手を崩せず無得点に終わった。それでも、光岡孝監督（42）はナインへ「最後は点差を離されたが、現時点で持っている力を出し切ってくれた」と及第点を与えた。

攻撃では2点を追う3回、2番高下裕太郎内野手（3年）がソロ本塁打を放つと、なお2死一塁で4番川瀬譲二主将（3年）が左越えの逆転2ラン。「センター返しを意識して、良い結果につながった」。チームは「好投手からの得点」をテーマにバットを振り込んできたが、成果を愛知の強豪相手に発揮した。

投手陣では、先発を任された山田蓮投手（2年）が、4回5安打2失点で試合をつくった。「小林に次ぐ2番手の確立」がチームの課題だったが、地区大会からの好投で、その座を射止めた。この日は初回に2失点し「県内なら打ち取れていた球が打たれ、力不足を感じた。この春は良い経験をしたし、自信がついた」と前を向いた。光岡監督は「春は収穫が多かった。夏に向けて、しっかりと準備をしていきたい」と話した。秋春夏の県内3冠という偉業を見据え、チームをさらに成熟させていく。【河合萌彦】