今春センバツ8強の仙台育英が、春の宮城2連覇を飾った。

仙台育英は3回まで無安打も2巡目に入った4回、1番渡辺旭内野手(3年)が二塁打でチャンスメーク。続く浅野洸司内野手(3年)の中前打で好機を広げて無死一、三塁とし、八巻真也外野手(3年)の右犠飛で先制した。5回1死三塁では山田脩也内野手(1年)の中犠飛で追加点。2-0の6回には先頭で打席に立った渡辺がランニング本塁打を放ち加点した。同2死一塁から島貫丞(じょう)主将(3年)の適時二塁打など、この回3点を挙げた。7回には長短4安打を集めて3得点。9回には吉野蓮内野手(3年)が左中間に2点本塁打を放つなど一挙4得点でダメ押し。終わってみれば14安打12得点で圧勝だった。

投げては先発した最速147キロ右腕、吉野が6回を3安打無失点の好投。力のある直球を軸に、三塁を踏ませない投球を披露した。7回から2番手で登板した2年生左腕の古川翼はストライク先行の投球で1回を1安打無失点。3番手の186センチの長身右腕・中村和寛(3年)は1回をパーフェクトに抑えた。最終回は松田隆之介投手(3年)が締めて、4人の投手リレーで完封勝ちを決めた。

今大会は毎試合メンバー登録変更が可能だった。主力組はもちろん1年生8人が公式戦を経験。センバツではメンバー外だった小野天之介捕手(3年)は全5試合中4試合で先発マスクを被るなど、選手層の厚さは健在で、夏に向けた選手選考の位置づけでもあった。

須江航監督(38)は「チーム内競争で日本一になった時に、高校野球の歴史が変わる」と言い続ける。

本番の夏まで残り約1カ月。東北勢悲願の甲子園優勝を成し遂げるため、ここからさらにレギュラー争いは熾烈(しれつ)を極めていく。