桐光学園(神奈川)が、今春の関東大会準優勝校・関東第一(東東京)との接戦を制した。

3回1死、山口龍一内野手(3年)が、この回から登板した相手エース市川祐投手(3年)のインコース速球を左翼スタンドに運び先制した。6回2死一、二塁では、3番に座った寺井雄人外野手(3年)が、左越え適時二塁打を放ち2点を加えた。

エース中嶋太一投手(3年)は、5回5安打無失点と好投した先発の渋沢康羽(こう)投手(3年)の後を受け、6回から登板。8回に3者連続四球で満塁のピンチを招くも、低めを丁寧に突く投球で後続を打ち取り、4回3安打1失点にまとめた。常にクイックモーションで投球するなど、課題を意識。8回にはけん制アウトを取るなど、走者を置いてからも落ち着きを見せた。

「自分が引っ張っていきたい」と、エースの自覚を口にする中嶋だが、以前は投手にこだわりはなかったという。中2で捕手から転向した理由も「(捕手は)下手だったから」。高校入学後も、度重なるけがに悩まされ、思い通りに投げられない期間が続いた。転機は高2の秋。経験の浅かった中嶋が、エースを託された。「自分が投げて抑えるんだ」と自覚した。

野呂雅之監督(60)は「(中嶋は)今日は目標をクリアしていた」と、夏に向けて不安はない。中嶋は「(春の県大会決勝で惜敗した)相模は意識せず、1戦1戦全力で戦いたい」と、12年以来の甲子園出場へ意気込んだ。