コロナ禍で2年ぶりに開催される第103回全国高校野球選手権(8月9日開幕、甲子園)の九州各県大会に登場する注目選手を紹介する。センバツ8強の福岡大大濠の最速140キロのエース左腕・毛利海大(3年)は、コロナ禍の逆境を乗り越え春夏連続出場を狙う。7月3日開幕の沖縄、鹿児島大会で口火を切り球児の熱い夏が始まる。

プロ注目左腕の毛利が、コロナ禍の試練にめげず、89年以来4度目の全国切符を目指す。

センバツは直球にカーブ、チェンジアップ、ツーシームなど、多彩な変化球を交えて緩急を駆使し、8強に貢献した。その後、5月までは疲労回復に務め、徐々に投げ込みや走り込みなど、夏に向けて体力を強化してきたという。だが、4月の春季九州大会以降は、福岡県で発令された緊急事態宣言の影響もあり、練習試合は6月20日までできなかった。

八木啓伸監督(43)も「投げる体力や精神力をつける意味で練習試合は大事ですが、できていないのが不安」と、試合勘を心配している。それでも「毛利ができることは、ひとつひとつの精度を高めていくことじゃないかと思う」と、福岡大会を逆算したエースの調整に信頼を置いている。

センバツは準々決勝で優勝校の東海大相模(神奈川)に敗れた。その際、毛利は「持ち味の真っすぐをはじき返された。真っすぐの力、スピード、キレを上げてまた夏戻ってきたい」と、リベンジを誓った。進化してもう1度聖地へ。春夏連続出場への挑戦は7月7日、玄洋との初戦でスタートする。【菊川光一】

◆毛利海大(もうり・かいと)2003年(平15)9月14日、福岡県田川市生まれ。野球は小2から伊田レッドスターで始め、小6でソフトバンクホークスジュニア選出。伊田中では鷹羽ボーイズでプレー。同3年でボーイズリーグ日本代表。福岡大大濠では1年夏からベンチ入りし新チームからエース。変化球の持ち球はツーシーム、カーブ、スライダー、チェンジアップ。左投げ左打ち。176センチ、75キロ。