今年のセンバツに出場した北海が、札幌平岡を10-0の5回コールドで下し、10年ぶりの春夏連続甲子園に好スタートを切った。プロ注目の左腕、木村大成(3年)が5回2安打無失点。打撃では、新打順を組んだ打線の中で高校初の4番に入り、3点二塁打を放ち勝利を呼び込んだ。

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北海が投打ともにエース中心の新バージョンにシフトチェンジし、好発進した。8球団10人のスカウトが見守る中、木村はまず投球で、好調ぶりをアピール。4回まで完全投球を続け、5回に2安打許すも、後続を断って無四球8奪三振の好投で、夏初戦を飾った。この日の最速は146キロ。自己最速148キロには及ばなかったが「直球は質も制球も良くなかったが、スライダーはピンチで空振りも取れて良かった」と手応えを口にした。

春は全道初戦で旭川大高に敗戦。打線が8安打4点と効果的に加点できず、平川敦監督(50)は新打順に組み替えた。春まで6、7番を打っていた木村を「1番気持ちが入っている。投げて打って頑張ってもらえたら」と初の4番に抜てき。木村は1、2打席目は凡退も「監督に『欲が出ている。逆方向にコンパクトに振れ』と助言を受け、切り替えられた」。5回無死満塁で走者一掃の左中間二塁打を放ち、期待に応えた。

北海のエース兼4番は、甲子園で準優勝した16年夏南大会での大西健斗(慶大4年)以来。平川監督は験のいい4番エースを軸に打順を微調整。8、9番だった関虎大朗右翼手(3年)、小原海月二塁手(2年)を1、2番に上げ、5番だった尾崎大嘉三塁手(3年)を9番に変更。5回には9番尾崎から4番木村まで5者連続安打と打線がつながり、この回一挙8点でコールド勝ちにつなげた。

大黒柱の重圧もあるが、木村は「打撃も下半身を使うし、投球にもいい影響はある」と前向きだ。3回にはセンバツで課題になったクイック投法で三振に切って取るなど、投球面での進化も披露。投打にアップデートした伝統校が、4年ぶりの夏甲子園、11年以来となる春夏連続の聖地を見据える。【永野高輔】

 

◆北海の春夏連続甲子園 過去7度達成。北海中時代の38年が最初で、53、54年は2年連続で成し遂げている。センバツ4強&夏8強の60年、夏ベスト8の62年のほか64年にも春夏連続出場を果たした。47年ぶりに達成した11年が最新で、川越誠司(現西武)らを中心にセンバツ8強まで勝ち上がった。