<高校野球長野大会:飯田OIDE長姫25-1下高井農林(5回コールド)>◇6日◇1回戦◇しんきん諏訪湖スタジアム

コールド負け寸前の5回2死走者なし。メガネ姿のひょろっとした高島颯大外野手(3年)が左打席に入ると、下高井農林ベンチは異様に沸いた。飯田OIDE長姫の左腕、林直樹投手(2年)の初球を打ち、中前打。ベンチでは選手が跳び上がって喜んだ。

「僕は4月下旬から野球部に入ったんです。助っ人が打ったから喜んでくれたんです」。部員11人だった苦境を助けるべく、バットを握った。そして、このヒットが公式戦初安打。「夏の大会は重みが違いますね。練習試合とはだいぶ違いました」。チーム2安打のうちの1本をマーク。わずか2カ月の高校野球も、心からの感想は飾り気なく、逆にとても新鮮だ。

クロスカントリー(10キロ)でインターハイ出場の実績を持つ。「でも、学校推薦枠というのがあるから、僕の場合はすごくないんですよ」。謙遜というよりも本音で話す口調がさわやか。「これまでが個人競技でしたので、野球はみんなで力を合わせるのがいいですね。頑張ってた1年生のこともあるので、少しでも長く野球ができてよかった。チームに入って試合ができてうれしかったです」。クロカンランナーの異色初ヒットは、絵になる一打になった。【井上真】